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2021年07月12日

大阪街宣懇第9回総会を開催

街宣懇2021年6月21日、大阪街宣懇は第9回目の総会を開催。35名が参加しました。
 藤木邦顕弁護士の開会挨拶の後、マンションの集合ポストやドアポストへのビラ配布について、野村羊子さん(東京都三鷹市議会議員)からのビデオレター、西田穣弁護士(東京東部法律事務所・自由法曹団本部元事務局長)にオンラインで講師をしていただき、学習しました。
2020年2月27日、東京地方裁判所は、野村議員の政治団体が、「チラシお断り」の張り紙があるマンションの集合ポストにチラシを配布するために、エントランスに立ち入った行為について、①「チラシお断わり」の貼り紙があっても、チラシ投函行為は違法ではない、②施錠されていないマンションの玄関で、市議会議員の活動を報告するチラシを投函するといった一般的な配布行為は、受忍限度の範囲内であり、違法とはならない、③施錠されていないマンションの玄関部分に入るだけでは建造物侵入罪にはあたらない、といった判断を示しました。
 野村さんは、ビデオレターで、チラシ投函のためのエントランスへの立入りが違法ではないと確定したことについて、「当たり前の活動ができることにホッとしている。」「この判決を活用しながら、活動していきたい。みなさんの活動にも活用していただきたい。」と表現の自由が守られたことに安堵されていました。
ドアポストへのビラ配布は許されないのか?
西田弁護士からは、「ビラ配布の自由を考える」とのテーマで講演をいただきました。西田弁護士は、立入禁止等の貼り紙がなされているマンションであっても集合ポストへのビラ配布は違法ではないとの論理が確立したことを強調されるとともに、そのうえで、「本当にドアポストへのビラ配布は許されないのか?」との問題提起をいただきました。
西田弁護士は、2004年に起きた葛飾ビラ配布弾圧事件(マンションのドアポストに区議団だよりなどを配布したことが住居侵入罪で「有罪」とされた不当判決)の弁護団でもあり、最高裁がドアポストへのビラ配布行為を「有罪」と判断したことに対する怒りを示されました。投函場所がドアポストか集合ポストで違法か適法かを区分することは適切ではなく、ドアポストへのビラ配布は居住者の生活の安全を脅かすものではない。ビラ配布は表現の自由として保障される重要な権利であり、ドアポストへのビラ配布行為が許されないとした最高裁判決はあまりにも安直すぎると疑問を呈するとともに、最高裁判決が判断を誤ったことが集合ポストへのビラ配布に対する「慰謝料10万訴訟」濫発の引き金となっているとして、表現の自由に対する最高裁判所の無理解を厳しく批判されました。
SNSが注目される時代ではありますが、チラシの投函が重要な表現ツールであることに変わりはありません。西田弁護士の講演は、「原則自由」という私たちの運動に確信と誇りをもつことができるお話でした。
議案提案では、この1年間干渉事例報告が3件しか寄せられなかったこと、干渉がなくなった(減った)のか、報告の周知・徹底ができていなかったのか、干渉があっても干渉と思っていないのか等、引き続きの議論と干渉事例報告の徹底を強調しました。
フロア発言では、ビラ配布の際、マンションの管理人からビラ配布を断られ、後日、管理組合に申入れ、役員会で一人の役員が、「国民には知る権利がある」「一戸建では配布されている」との意見が出され、以降、ビラ配布ができるようになった。との教訓もだされました。最後に、篠原俊一代表幹事より、「本日の学習を総選挙に活かそう」との閉会挨拶で街宣懇総会を終えました。