あなたの仕事はだいじょうぶ? はたらき方チェック

だいじょうぶ?

給料が最低賃金よりも安くありませんか?

 労働に対し支払われる賃金は法律(最低賃金法)で「これ未満の時間額で働かせてはいけない」と最低額が定められています。あなたの賃金はそれを下回ってはいませんか? 法律で定められている最低賃金を下回った契約は無効とされ、差額を請求でき、経営者は罰せられます。パートやアルバイト、高校生、研修生だけでなく、月給で賃金が支払われている正社員でも同じように最低賃金法が適用されます。必ず給与明細をもらい、しっかりと確認してみましょう。
 時間単価の計算方法など詳しくは「最低賃金ご存知ですか?」をチェック!

 【根拠となる法律】

憲法第27条

1項
すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
2項
賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
3項
児童は、これを酷使してはならない。

労働基準法 第1条(労働条件の原則)

1項
労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
2項
この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

労基法 第2条(労働条件の決定)

1項
労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。
2項
労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。

労基法 第3条(均等待遇)

使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

労基法 第4条(男女同一賃金の原則)

使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。

労基法 第24条(賃金の支払い)

1項
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。(以下省略)
2項
賃金は、毎月1回以上、1定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金については、この限りでない。

最低賃金法4条(最低賃金の効力)

1項
使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。
2項
最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で、最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、最低賃金と同様の定をしたものとみなす。

3項、4項 省略

 
だいじょうぶ?

働きすぎていませんか?
残業代は出ていますか?

 労働時間は1日8時間・週40時間まで、休みは週に1日以上(変形労働制では4週で4日以上)が原則です。これは特例を除き、全ての労働者に適用され、それ以上働いた場合は時間外労働としての割増賃金が支払われなければ違法です。タイムカードや出勤簿などで、労働時間をしっかり把握しておきましょう。「管理職は残業代が出ない」と払われていないケースが多くなっていますが、残業代が支払われない「管理職」には特定の基準があります。おかしいな?と思ったらご相談を!

※ 仕事前のミーティングや準備作業、仕事後の清掃なども労働時間
  に含まれます!

 【根拠となる法律】

労基法 第32条(労働時間)

1項
使用者は労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
2項
使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。

労基法 第34条(休憩)

1項
使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
2項
省略
3項
使用者は、第1項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

労基法 第35条(休日)

1項
使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。
2項
前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。

労基法 第36条(時間外及び休日の労働)

※条文略 時間外、休日労働に関する協約=36協定

労基法 第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)

1項
残業代割増率について(条文省略)

2項、3項(省略)

4項
深夜労働の時間帯と割増率について(条文省略)
5項
第1項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。

労基法 106条(適用除外)

※条文略 除外対象:船員(船員法による)、家族経営の事業所

 
だいじょうぶ?

派遣・パート・アルバイト、有期契約の
労働者も権利が保障されています!

 派遣やパート・アルバイト、有期契約などの非正規雇用も労働者です。その権利は保障され、契約が一方的に変更されたり、解雇・雇止めにあったりすることは違法です。通勤手当や食堂利用などで正社員と差別することも禁止されています。
 非正規労働者でも有給休暇は認められています。条件がそろえば社会保険にも加入できます。ケガをすれば労災が受けられます。
 改正労働契約法で2013年4月1日から通算して5年以上有期契約で働いた場合は、本人の申し出で、期間の定めのない労働契約を結べます。また、「辞めたいのに辞められない」「辞めるといったら違約金を払えと言われた」などのケースが頻繁に起こっていますが、これらも違法です。

 【根拠となる法律】

労働者派遣法(条文省略)

労働契約法17条1項(契約期間中の解雇等)

使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。

 
だいじょうぶ?

突然のリストラ・解雇は仕方がない?

 どんな場合においても、上司や店長(使用者)による突然の解雇は違法です。
 会社の経営難による整理解雇も同じ。以下の4要件をすべて満たさなければ解雇は無効となります。仮に労働者が解雇を受け入れる場合、使用者の都合による解雇の時は、30日前に解雇予告を行うか、解雇予告手当(平均賃金の30日分以上)を支払うことが法律で義務付けられています。

【整理解雇の4要件】

  1. 高度の経営危機であること
  2. 解雇回避のための相当の努力を行っていること
  3. 人選基準が合理的であること
  4. 解雇の必要性等について、労働者や労働組合に説明し、協議し、納得を得るための努力を行っていること
 【根拠となる法律】

労基法 第19条(解雇制限)

1項
使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。(以下、2項を含め省略)

労基法 第20条(解雇の予告)

1項
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。(以下省略)
2項
前項の予告の日数は、1日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。
3項
省略

労基法 第21条

前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第1号に該当する者が1箇月を超えて引き続き使用されるに至った場合、第2号若しくは第3号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合又は第4号に該当する者が14日を超えて引き続き使用されるに至った場合においては、この限りでない。

  1. 日日雇い入れられる者
  2. 2箇月以内の期間を定めて使用される者
  3. 季節的業務に4箇月以内の期間を定めて使用される者
  4. 試の使用期間中の者

労基法 第22条(退職時等の証明)

1項
労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(省略)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

2項〜4項(省略)

男女雇用機会均等法 第9条
(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)

1項
事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。
2項
事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。
3項
事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、(省略)休業をしたこと(省略)を理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
4項
妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。(以下省略)

労働組合法 第7条(不当労働行為)

1項
組合員であることを理由にした解雇等不利益な扱いの禁止。(条文省略)
2項
使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと。
3項
支配介入の禁止(条文省略)
4項
労働委員会等への申し立ておよび証言等を理由にした不利益扱いの禁止(条文省略)

労働契約法 第16条(解雇)

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 
だいじょうぶ?

実際に働いてみると、
聞いていた労働条件と違っていませんか?

 労働条件は、労働者が合意して初めて成立します。採用面接時に労働条件をよく確認せずに就業し、後々思わぬトラブルになることも少なくありません。求人広告の内容だけでなく、労働条件をしっかり確認し、採用される時には口頭説明だけでなく雇用契約書などの「労働条件通知書」をもらいましょう。
 労働基準法ではトラブル防止のために、採用者(使用者)に対し、以下の事項を文書で明示することが義務付けられています。

  1. 契約期間(期間に定めのある場合)
  2. 就業場所・従事すべき業務
  3. 始業・終業時刻、休日・休憩・休暇、超過勤務(残業など)の有無
  4. 賃金の決定・計算・支払方法、賃金の締め切り日・支払日、昇給に関する事項
  5. 解雇手続きなど退職に関する事項
 【根拠となる法律】

労基法 第15条(労働条件の明示)

1項
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
2項
前項の規定によって明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
3項
前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。

労基法施行規則5条

使用者が労基法第15条第1項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件は、次に掲げるものとする。(以下省略)

1号ー1
労働契約の期間に関する事項
1号ー2
期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
1号ー3
就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
2号
始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
3号
賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
4号ー1
退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
4号ー2
退職金に関する事項(条文省略)
5号
臨時に支払われる賃金等に関する事項(条文省略)並びに最低賃金額に関する事項
6号
労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
7号
安全及び衛生に関する事項
8号
職業訓練に関する事項
9号
災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
10号
表彰及び制裁に関する事項
11号
休職に関する事項

労働契約法 第4条(労働契約の内容の理解の促進)

1項
使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。
2項
労働者及び使用者は、労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする。

労働契約法 第6条(労働契約の成立)

労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。

 
だいじょうぶ?

仕事中や通勤中のケガなどで
労災を受けていますか?

 事業主が保険料を全額負担する労災保険は強制加入保険です。パート・アルバイトも含め、労働者を1人でも雇用している事業主(使用者)は、必ず労災保険に加入しなければなりません。仕事中や通勤途中に事故に遭った時、ケガなどによって仕事を休む時には、労災保険から医療費や休業補償が支払われます。事業主(使用者)に手続きを申請しましょう。
 労働者には労災保険を請求する権利があり、事業主は労働者や遺族からの要請を受けた場合、保険請求事務に協力する義務があります。労災保険の請求は、事業主が労災保険未加入や保険料未納であっても行うことができます。

 【根拠となる法律】

労災保険法(労働者災害補償保険法:条文省略)
労災保険法施行規則 第23条(事業主の助力等)

1項
保険給付を受けるべき者が、事故のため、みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には、事業主は、その手続を行うことができるように助力しなければならない。
2項
事業主は、保険給付を受けるべき者から保険給付を受けるために必要な証明を求められたときは、すみやかに証明をしなければならない。
 
だいじょうぶ?

セクハラ・パワハラを受けていませんか?

 2007年4月からの改正男女雇用均等法では、セクハラについて「事業主は雇用管理上必要な措置を講じなければならない」と義務付けられており、企業はあらかじめ相談や苦情を受け付ける窓口を明確にしておくとともに、問題が起こってしまった場合には迅速に対応しなければなりません。厚労省は2012年3月に「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」でパワハラと認められる行為をまとめました。いじめやセクハラ・パワハラを放置・容認している場合は、会社も責任を問われます。
 会社で対応してもらえない場合は、1人で悩まずに労働組合や大阪府総合労働事務所、大阪労働局の雇用均等室か労働基準監督署に相談しましょう!

 【根拠となる法律】

男女雇用機会均等法 第11条
(職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置)

1項
事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

2項、3項(省略)