府内自治体における職員の実態調査結果

大阪府内の自治体で働く非正規職員の2022年賃金・労働条件調査結果

2023年1月21日現在

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 自治体職場では、政府が進める「地方行革」に基づいて全国的にアウトソーシングと非正規化が進められてきました。総務省の調査によれば、1994年度(平成6年度)の全国の自治体職員数は328万人であったものが、集中改革プランの実施(2005年~2009年)などにより2007年度の時点で295万人に減少し、その後も減少を続け2020年度に276万人まで減少していますが、それでも削減率は16%にすぎません。ところが、大阪では1994年度の13万人が2007年度の時点で10万5千人と、すでに20%削減に達し、さらに2020年度には6万9千人、つまり47%削減、ほぼ半減となっています。

 「大阪府内における臨時・非常勤職員に係わる実態調査」は06年から開始し、昨年17年目となりました。昨年は10月初旬に調査用紙を郵送し、コロナ禍で自治体の業務が多忙の中にも関わらず、大阪府を含む44自治体から回答がありました。

 自治体で働く非正規職員の多くは恒常的業務に従事し、公共サービスの水準を維持向上させようと必死に努力していますが、雇用は不安定で低賃金なままです。2020年4月から「会計年度任用職員」という制度に移行しましたが、多くはこれまでと年収ベースが変わらずに一時金支給の代わりに、月例賃金が引き下げられたり、根本的な問題は変わっていません。さらには、自治体ごとによって扱いも違い、制度の一本化には程遠い状態だと言えます。公共サービスを充実させていくためには、人員増とともに、非正規公務員の雇用の安定、賃金労働条件の改善が不可欠です。

1. 17年間で正規職員は4万人減少、非正規職員は1万6千人増加(教育・消防職場は除く)

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2. 非正規職員の割合が増加 多くの自治体で非正規率40%を超える

 昨年4月時点で、大阪府内の自治体に働く非正規職員は、会計年度任用職員(地公法第22条の2による任用)がフルタイム1,487人(昨年1,248人)、パートタイム36,208人(昨年30,984人)、任期付常勤職員(任期付き採用法第4条)が978人(昨年971人)、任期付短時間勤務職員(任期付き採用法第5条)が1,734人(昨年1,831人)、一般任期付職員(任期付き採用法第3条2項)が169人(昨年166人)、臨時的任用職員(地公法第22条の3)が176人(昨年183人)、さらに定年後に1年任用で65歳に達した年度末までの任用更新が可能な再任用として再任用常時勤務職員(地公法28条の4)が2,306人(昨年2,001人)、再任用短時間勤務職員(地公法28条の5)が1,699人(昨年1,845人)、弁護士・会計士などの資格者を期限付きで任用する特定任期付職員(任期付き採用法第3条1項)が42人(昨年39人)、地公法17条による臨時的任用職員が4人(昨年6人)となっています。

非正規職員の比率が40%を超えるのは23市8町1村(昨年24市8町)
吹田市、摂津市、茨木市、高槻市、島本町、箕面市、池田市、豊能町、能勢町、四條畷市、枚方市、寝屋川市、大東市、交野市、柏原市、羽曳野市、藤井寺市、富田林市、河内長野市、大阪狭山市、河南町、太子町、千早赤阪村、高石市、貝塚市、泉佐野市、和泉市、泉南市、阪南市、田尻町、熊取町、岬町
非正規職員の比率が50%を超える自治体6市7町(昨年8市6町)
島本町、豊能町、能勢町、四條畷市、交野市、羽曳野市、藤井寺市、河内長野市、河南町、阪南市、田尻町、熊取町、岬町

 総務省の調査によれば、昨年度の全国の自治体における非正規職員の比率は約20%ですから、大阪府内の自治体における非正規職員の比率は突出していると言わざるを得ません。なお、守口市のように業務のアウトソーシングをすすめると、非正規職員の比率が下がることには注意を要します。

3. 会計年度任用職員の雇用が不安定でいいのか

 民間労働者であれば労働契約法が適用され、無期転換も行われます。雇用契約の更新を繰り返せば、雇止めも制約されます。ところが、会計年度任用職員には無期転換ルールも雇止め制約法理も適用されず、雇用の調整弁として雇止めが行われているのが実態です。毎年、年度末になると、次年度も任用されるのかという不安にさらされているのです。今や40%を超え、住民サービスの重要な役割を担っている会計年度任用職員の不安を解消することが、住民サービスにとっても重要です。

 ところが、公募によらない選考による再度の任用については、大阪市・摂津市・島本町・能勢町・門真市・守口市・四條畷市・枚方市・交野市・松原市・藤井寺市・大阪狭山市・堺市・和泉市・阪南市・忠岡町・田尻町・熊取町が上限回数を2回までとしています。2020年4月に移行してから、すでに2回の任用を繰り返していますから、2023年4月からの任用にあたっては公募が実施され、雇止めされるおそれが高まっています。

4. 会計年度任用職員の賃金を底上げし、官製ワーキングプアをなくそう!

(1)会計年度任用職員の最低時間給が1,023円を下回るのは13自治体

 大阪府内の時間額最低賃金1,023円以下の自治体は、箕面市(1,000円)、豊能町(996円)、能勢町(993円)、八尾市(995円)、藤井寺市(1,000円)、河南町(992円)、泉大津(1,000円)、和泉市(996円)、泉南市(999円)、阪南市(995円)、忠岡町(994円)、田尻町(992円)、岬町(1,004円)の13自治体となっております。

 これは、もともと臨時職員の時給が低かったことに加えて、会計年度任用職員の初年度の給料について、総務省のマニュアルが「当該会計年度任用職員の職務と類似する職務に従事する常勤職員の属する職務の級(仮に1級とする)の初号給(1級1号給)を基礎として、職務経験等の要素を考慮して(高校卒業以後の学歴免許等の資格による号給調整(加算数4×4号給=16号給を加算))定める(1級1号給+16号給=1級17号給相当水準)。」「常勤職員の初任給基準額を上限の目安とする」と示したため、多くの自治体がこれにしたがったことが原因であると考えられます。

 また、会計年度任用職員の時間給は職種によって異なり、資格を必要としない一般事務や学校給食調理員などは最低賃金すれすれの自治体も多いことがわかっています。

 地域4区分で職種を一般事務で比べてみました。2021年大阪府の最低賃金と同じ時間給の豊中市は、59円の引き上げで1,051円、枚方市についても30円引き上げ1,025円でした。どちらも2022年最低賃金の1,023円に近く、また堺・阪南地域では河南町や田尻町が992円で1,000円に満たない自治体が5つもあります。民間労働者であれば最低賃金法が適用され1,023円未満は違反となりますが、自治体・公務職場は最低賃金法が適用除外であるため、このような事態を招いています。

 コロナ禍で自治体の職員を減らしすぎたことがコロナ禍を悪化させたこと、低すぎる「会計年度任用職員」制度が導入されて以降、自治体においてもコロナ禍で業務が増加し、このままでは、自治体自体がもたなくなってしまいます。また、会計年度任用職員の平均時間給が上がらない原因は、そもそも時間給が低いことに加えて、任用回数が3回~5回などと上限が定められていたり、任用回数に上限はなくても昇給回数に上限が設けられているためであると考えられます。

(2)最低賃金引き上げの影響について

 2022年は時間額31円引き上げられ1,023円となりました。大阪府最低賃金の時間額1,023円が妥当であるか、また、最低賃金が募集に影響があるかどうかを自治体に問いました。

 これに対して、「妥当」とする回答は24自治体(昨年29自治体)、「回答は差し控える」「判断できない」「わからない」「必要に応じて見直しする」が16自治体(昨年15自治体)でした。また、回答がなかったのは4自治体でした。

 最低賃金の募集への影響は、15自治体が「影響は無い」とするものの、その他の自治体からは「現在接近している職種はないが接近することで募集人数が減少するなどの懸念はあると考える」「報酬及び給与の額は各市会計年度任用職員の報酬(給与)も額を考慮すると同時に、人材確保の観点から隣接市等の状況をふまえて設定するものと考えている」「非正規労働者の時給が最低賃金に接近していることは生活の安定にもつながるのでいいと思う。しかし雇用形態が正規雇用から非正規雇用にならないか懸念される。非正規雇用の雇用がそれぞれ安定していない状況に変わりはないので、正規雇用採用されるのが望ましい。」「最低賃金を下回ることのないよう留意しております。募集・採用につきましては最低賃金に接近している職種も含め、全体的に苦慮しているところです。」などの回答がありました。

5. 労働条件は改善傾向にあるも、まだある格差

 「同一労働同一賃金ガイドライン」に基づくパートタイム・有期雇用労働法が2021年4月に中小企業も含めて完全施行されたもとで、民間では休暇制度や福利厚生なども含めて格差是正と説明責任が求められるようになりました。公務職場にはパートタイム・有期雇用労働法が適用除外とはいえ、その理念は公務職場にも該当するものであり、自治体における改善が迫られています。

 労働条件における格差は改善傾向にありますが、なお「休暇の日数」が正規職員より少なかったり、有給ではなく無給となっていたり、まだまだ正規職員との格差が残っています。総務省マニュアルが、休暇制度は国家公務員非常勤職員との均衡を求めていることが障害となっています。

☆忌引休暇
忌引休暇が無いと回答があった自治体は、会計年度任用職員(パートタイム)で枚方市でした。

☆結婚休暇
結婚休暇が無いとの回答は、会計年度任用職員(フルタイム)で和泉市、会計年度任用職員(パートイム)では、4自治体(大東市、枚方市、和泉市、松原市)でした。

☆生理休暇
生理休暇については、会計年度任用職員(フルタイム)でも13自治体が無給、会計年度任用職員(パートタイム)では27自治体が無給という回答でした。

☆病気休暇
病気休暇については、会計年度任用職員(フルタイム)が24自治体(15自治体・無給)、会計年度任用職員(パートタイム)は、42自治体(26自治体・無給)で2自治体が無しの回答でした。そんな中、2自治体が改善されています。吹田市は10日の有給付与から12日の有給付与に、貝塚市は10日の有給付与から15日の有給付与となり、フルタイム・パートタイムとも改善となっています。

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*尚、フルタイムを採用していない自治体が30自治体あります

6. 自治体に広がる委託・派遣など様々な非正規労働者

(1)コロナ対応などで自治体にも派遣労働者が増加

 労働者派遣法に基づく派遣労働者の導入は、14自治体(昨年10自治体)で26自治体(30自治体)が採用していない。総人数は1386人(昨年250人)
 大阪府では、341人を採用(事務;危機管理室、新型コロナウイルス感染者の宿泊療養施設:54人/新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の申請に関する審査業務;子ども家庭センター:4人/事務;商工労働部:130人・事務;健康医療部(患者情報分析業務、補助金申請受付業務、入院・療養支援業務、保健所支援業務):62人/保健師(看護師);健康医療部(入院・療養支援業務、保健所支援業務):91人。また枚方市で、選挙管理委員会事務所でR4.7.10執行参議院議員通常選挙において17日間で延べ446人の派遣労働者を導入しています。
 また、新たに導入しているのは2自治体で、島本町が住民窓口(マイナンバー等)の対応に3人。河南町は、こども園(栄養士)に1人を導入しています。

(2)シルバー人材センターの活用は42自治体(昨年42自治体)。昨年同様に把握していないが高槻市、採用が無いは松原市

 シルバー人材センターは臨時的・短期的な就業の場を提供するとしていますが、常時必要とされる業務が含まれています。高齢者の「生きがい就労」として、労働基準法の適用を除外した就労(請負契約)であり、最低賃金や労災などの保障がないことで問題となっています。同時に、シルバー人材センターとして派遣業をしている所もあり、「生きがい就労」と「派遣業務」の両方が混在している自治体は(大阪府、茨木市、池田市、守口市、枚方市、大東市、羽曳野市、熊取町)の8自治体(昨年8自治体)となっています。

業務内容:洗濯業務、植栽管理業務、卒業証書筆耕、施設管理業務、清掃業務、サイクルサポーター業務、自転車保管所管理業務、公園維持・管理、駐車場管理、違法駐車管理、古墳除草清掃作業・古墳施設管理、ふれあい広場管理業務、運動広場管理業務、美化作業、町営住宅管理、放置自転車等一括業務、公園多機能便所清掃業務、コロナワクチン接種券封入封緘作業、夜間宿直業務、郵便物の封入・封緘、電話交換業務、公用車整備業務、情報コーナー管理業務、学校安全管理業務、校内環境整備業務、公用車貸出業務、市庁舎等除草管理、放置自転車等保管所管理、学校校務員、老人集会所管理業務、農園施開業務、忠霊碑清掃業務、生活支援サービス、樹木剪定、粗大ごみ収集、学童保育支援員

7. 正規職員の実態

(1)行政職の高卒初任給は、地域手当込みでも最低賃金割れが4自治体

高卒初任給(平均金額)

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*月168時間換算しています

 行政職高卒初任給に地域手当を加えた額の最低額は、159,636円の藤井寺市、千早赤阪村。昨年と状況は変わっていません。時間額では950円にすぎません。

 2022年度最低賃金を割り込んでいるのは、四条畷市・河内長野市・河南町・太子町・泉大津市・貝塚市・和泉市・泉南市・阪南市・田尻町・熊取町の11自治体(1,010円)、柏原市(1,014円)、大阪市(1,016円)、岸和田市(1,019円)、大阪府(1,021円)で19自治体となっています。そして、1,000円未満の自治体が、藤井寺市・千早赤阪村(950円)、富田林市・忠岡町(977円)、能勢町(987円)でなんと、2021年度最低賃金の992円をも下回っています。また、賃金カットを行っているのは岬町のみでした。

 調査後に、2022年度の人事院勧告が高卒初任給を4,000円引き上げたことにより、各自治体でも同様に4月に遡及して引き上げられましたので、現時点では若干時間額が上がっているものの、民間企業に対して範を示すべき自治体職場において、最低賃金法の適用除外だからと高卒初任給が最低賃金を下回っている状況には驚きを隠せません。早急に引き上げるべきです。

(2)地域手当についての各自治体の認識

 府内の自治体で働いていても、自治体によって地域手当の支給額が異なっています。これは国家公務員が勤務する事業所の所在地によって地域手当支給率が異なっていることを踏まえて、各自治体の地域手当支給率が定められている(一部自治体では国家公務員の支給率を下回っている)ことによるものです。大阪府内であれば同一経済圏ですから、同じ支給率とすべきと大阪府市長会・町村長会も要望しているほどです。ところが、実際には6%~15%まで支給率に格差がついています。

 このような地域手当については、各自治体の認識は、「現状のままでいい」と答えた自治体が22自治体(昨年18自治体)、「大阪府内一律にすべき」は6自治体(昨年7自治体)、「自治体単位でなく近隣地域で一律にすべき」は昨年同様6自治体、「回答しない」や「判断できない」を含めその他が10自治体(昨年12自治体)。その他の詳細では、「指定基準について、より広域的な視点に基づいて検討すべき、「国の横行に注視し、必要に応じて対応する」、「同一生活圏である近隣市での支給割合格差が出ている課題であると考えている」、「国家公務員制度が基本と考える」、「隣接する自治体間で差が大きくなっているため、より広域的な視点で調査・決定する見直しを早期に図るべき」、「国公準拠を基準としている」、「地域格差を圧縮すべき」、「人事院勧告等を尊重する」などの回答がありました。

(3)課長以上の役職に就く女性の人数と比率

 課長職以上の女性人数は1,601人で24自治体(昨年23自治体)が女性課長を増やしています。

 また、女性の活躍を推進するべく国や自治体、雇用する企業の努力を促す法律、「女性活躍推進法」が2022年4月より改正されることになり、中堅中小企業で義務化がスタートします。「常時雇用する労働者が101人以上300人以下」の「一般事業主行動計画の策定・届出義務および自社の女性活躍に関する情報公表」が義務付けられることとなります。女性が働きやすい職場は、誰もが働きやすい職場環境となります。今年度も数字的には伸びて来ていますが、やはり自治体職場から率先してすすめるべきです。

(4)6か月以上病欠者の約76%がメンタルヘルスでの休業

 6か月以上の病欠者総数が383人うち非正規労働者29人で、メンタルヘルス不全を理由とした病欠者は290人うち非正規労働者11人です。昨年は、6ケ月以上の病欠者総数が370人うち非正規労働者が15人で、メンタルヘルス不全を理由とした病欠者は292人うち非正規労働者が10人でした。

(5)正規職員の時間外労働

 6月に、月80時間以上の超過勤務を行った正職員の人数は全体で4,897人(昨年3,046人)でした。そのうち時間外勤務手当・休日手当を支給した人数は、全体で3,470人でした。このコロナ禍で自治体全体でも業務量が増加しているためか、昨年より多くの職員が超過勤務となっています。早期の増員が必要です。

最後に•••

 これまで、自治体の職員を減らしすぎたことがコロナ禍を悪化させたこと、低すぎる「会計年度任用職員」制度が導入されて以降、自治体においてもコロナ禍で業務が増加し、このままでは、自治体自体がもたなくなってしまいます。正規職員を増員することが必要です。また正規・非正規との格差是正がまだまだ放置されているので、公務職場から改善をすすめていくことが必要だと考えます。

 大阪では自治体職員の非正規率が60%を超える自治体もあり、窓口受付など業務がアウトソーシングされている中で個人情報保護の問題や、職員との連携が適切にできているかなど、住民からも不安の声が上がっています。『いかに安く人件費を抑えられるか』という認識だけで行政を進めることは、職務の執行に支障をきたします。住民の安全・安心を守る職務を果たすためには、職員の安定雇用、労働条件の改善が不可欠です。

 最後に、制度導入から3年目を迎え、公募による雇止めが発生することが懸念されています。


地方公務員法より抜粋

(会計年度任用職員の採用の方法等)
第二十二条の二 次に掲げる職員(以下この条において「会計年度任用職員」という。)の採用は、第十七条の二第一項及び第二項の規定にかかわらず、競争試験又は選考によるものとする。
 一会計年度を超えない範囲内で置かれる非常勤の職(第二十八条の五第一項に規定する短時間勤務の職を除く。)(次号において「会計年度任用の職」という。)を占める職員であつて、その一週間当たりの通常の勤務時間が常時勤務を要する職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるもの
 会計年度任用の職を占める職員であつて、その一週間当たりの通常の勤務時間が常時勤務を要する職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間と同一の時間であるもの
2 会計年度任用職員の任期は、その採用の日から同日の属する会計年度の末日までの期間の範囲内で任命権者が定める。
3 任命権者は、前二項の規定により会計年度任用職員を採用する場合には、当該会計年度任用職員にその任期を明示しなければならない。
4 任命権者は、会計年度任用職員の任期が第二項に規定する期間に満たない場合には、当該会計年度任用職員の勤務実績を考慮した上で、当該期間の範囲内において、その任期を更新することができる。
5 第三項の規定は、前項の規定により任期を更新する場合について準用する。
6 任命権者は、会計年度任用職員の採用又は任期の更新に当たつては、職務の遂行に必要かつ十分な任期を定めるものとし、必要以上に短い任期を定めることにより、採用又は任期の更新を反復して行うことのないよう配慮しなければならない。
7 会計年度任用職員に対する前条の規定の適用については、同条中「六月」とあるのは、「一月」とする。

(臨時的任用)
第二十二条の三 人事委員会を置く地方公共団体においては、任命権者は、人事委員会規則で定めるところにより、常時勤務を要する職に欠員を生じた場合において、緊急のとき、臨時の職に関するとき、又は採用候補者名簿(第二十一条の四第四項において読み替えて準用する第二十一条第一項に規定する昇任候補者名簿を含む。)がないときは、人事委員会の承認を得て、六月を超えない期間で臨時的任用を行うことができる。この場合において、任命権者は、人事委員会の承認を得て、当該臨時的任用を六月を超えない期間で更新することができるが、再度更新することはできない。

(定年退職者等の再任用)
第二十八条の四 任命権者は、当該地方公共団体の定年退職者等(第二十八条の二第一項の規定により退職した者若しくは前条の規定により勤務した後退職した者又は定年退職日以前に退職した者のうち勤続期間等を考慮してこれらに準ずるものとして条例で定める者をいう。以下同じ。)を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、常時勤務を要する職に採用することができる。ただし、その者がその者を採用しようとする職に係る定年に達していないときは、この限りでない。
第二十八条の五 任命権者は、当該地方公共団体の定年退職者等を、従前の勤務実績等に基づく選考により、一年を超えない範囲内で任期を定め、短時間勤務の職(当該職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間が、常時勤務を要する職でその職務が当該短時間勤務の職と同種のものを占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるものをいう。以下同じ。)に採用することができる。

地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律抜粋

(職員の任期を定めた採用)
第三条 任命権者は、高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者をその者が有する当該高度の専門的な知識経験又は優れた識見を一定の期間活用して遂行することが特に必要とされる業務に従事させる場合には、条例で定めるところにより、職員を選考により任期を定めて採用することができる。
2 任命権者は、前項の規定によるほか、専門的な知識経験を有する者を当該専門的な知識経験が必要とされる業務に従事させる場合において、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときであって、当該者を当該業務に期間を限って従事させることが公務の能率的運営を確保するために必要であるときは、条例で定めるところにより、職員を選考により任期を定めて採用することができる。
 当該専門的な知識経験を有する職員の育成に相当の期間を要するため、当該専門的な知識経験が必要とされる業務に従事させることが適任と認められる職員を部内で確保することが一定の期間困難である場合
 当該専門的な知識経験が急速に進歩する技術に係るものであることその他当該専門的な知識経験の性質上、当該専門的な知識経験が必要とされる業務に当該者が有する当該専門的な知識経験を有効に活用することができる期間が一定の期間に限られる場合
 前二号に掲げる場合に準ずる場合として条例で定める場合
第四条 任命権者は、職員を次の各号に掲げる業務のいずれかに期間を限って従事させることが公務の能率的運営を確保するために必要である場合には、条例で定めるところにより、職員を任期を定めて採用することができる。
 一定の期間内に終了することが見込まれる業務
 一定の期間内に限り業務量の増加が見込まれる業務
2 任命権者は、法律により任期を定めて任用される職員以外の職員を前項各号に掲げる業務のいずれかに係る職に任用する場合において、職員を当該業務以外の業務に期間を限って従事させることが公務の能率的運営を確保するために必要であるときは、条例で定めるところにより、職員を任期を定めて採用することができる。

(短時間勤務職員の任期を定めた採用)
第五条 任命権者は、短時間勤務職員を前条第一項各号に掲げる業務のいずれかに従事させることが公務の能率的運営を確保するために必要である場合には、条例で定めるところにより、短時間勤務職員を任期を定めて採用することができる。
2 任命権者は、前項の規定によるほか、住民に対して職員により直接提供されるサービスについて、その提供時間を延長し、若しくは繁忙時における提供体制を充実し、又はその延長した提供時間若しくは充実した提供体制を維持する必要がある場合において、短時間勤務職員を当該サービスに係る業務に従事させることが公務の能率的運営を確保するために必要であるときは、条例で定めるところにより、短時間勤務職員を任期を定めて採用することができる。
3 任命権者は、前二項の規定によるほか、職員が次に掲げる承認(第二号にあっては、承認その他の処分)を受けて勤務しない時間について短時間勤務職員を当該職員の業務に従事させることが当該業務を処理するため適当であると認める場合には、条例で定めるところにより、短時間勤務職員を任期を定めて採用することができる。
 地方公務員法第二十六条の二第一項又は第二十六条の三第一項の規定による承認
 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)第六十一条第六項の規定により読み替えて準用する同条第三項から第五項までの規定を最低基準として定める条例の規定による承認その他の処分
 地方公務員の育児休業等に関する法律(平成三年法律第百十号)第十九条第一項の規定による承認

2022年 大阪労連「自治体職員調査」
(2022年4月1日現在)

過去の調査結果

2021年 大阪労連「自治体職員調査」

府内自治体における臨時・非常勤職員の実態調査結果(2012年)