府内自治体における職員の実態調査結果

2021年 大阪労連「自治体職員調査」

「大阪府内における臨時・非常勤職員に係わる実態調査」16年目!!

 コロナ禍で自治体の業務が多忙の中にも関わらず、大阪府を含む44自治体の全てから回答にご協力頂きました。
 自治体職場では、政府が進める「地方行革」に基づいて全国的にアウトソーシングと非正規化が進められてきており、非正規職員の多くは恒常的業務に従事し、公共サービスの水準を維持向上させようと必死に努力していますが、雇用は不安定で低賃金なままです。2020年4月から「会計年度任用職員」という制度が導入されましたが、多くはこれまでと年収ベースが変わらずに一時金支給の代わりに、月例賃金が引き下げられたり、根本的な問題は変わっていません。更には、自治体ごとによって扱いも違い、制度の一本化には程遠い状態だと言えます。公共サービスを充実させていくためには、人員増とともに、非正規公務員の雇用の安定、賃金労働条件の改善が不可欠です。

会計年度任用職員の雇用が不安定でいいのか

 民間労働者であれば労働契約法が適用され、無期転換も行われます。雇用契約の更新を繰り返せば、雇い止めも制約されます。ところが、会計年度任用職員には無期転換ルールも雇い止め制約法理も適用されず、雇用の調整弁として雇い止めが行われているのが実態です。毎年、年度末になると、次年度も任用されるのかという不安にさらされているのです。今や40%を超え、住民サービスの重要な役割を担っている会計年度任用職員の不安を解消することが、住民サービスにとっても重要となります。

会計年度任用職員の最低時間給が1000円を下回るのは13自治体

 会計年度任用職員の最低時間給の平均は14円引き上げられ、1006円。大阪府内の時間額最低賃金992円の自治体は、5自治体となっており、最低賃金は若干上回るものの最低時間給が1000円に満たない自治体は、合わせて13自治体ということがわかりました。

最低賃金引上げの影響について

 2020年の大阪府最低賃金は据え置かれましたが、2021年は時間額28円引き上げられ992円となり、あと8円で1000円というところまで来ています。大阪府最低賃金の時間額992円が妥当であるか、また、最低賃金が募集に影響があるかどうかを自治体に問いました。
 「妥当」とする回答は29自治体、「回答は差し控える」「判断できない」「わからない」が15自治体でした。
 最低賃金の募集への影響は、12自治体が「影響は無い」とするものの、その他の自治体からは「現在接近している職種はないが接近することで募集人数が減少するなどの懸念はあると考える」「報酬及び給与の額は、各市会計年度任用職員の報酬(給与)の全般的な状況を考慮すると同時に、人材確保の観点から隣接市等の状況をふまえ設定するものと考えている」「最低賃金を下回らないよう、協議見直しを行う。また職種に応じた賃金設定を行い、人材確保に勤めている。」などの回答がありました。

高卒初任給(行政職)について

 高校卒業後はじめての賃金が、地域手当を加えた額の最低額は159,636円との回答が2自治体、時間額にすると950円にすぎません。2020年度最低賃金の964円をも割り込んでいます。2021年度最低賃金を割り込んでいるのは、上記に加え4自治体となっています。

最後に

 「同一労働同一賃金ガイドライン」に基づくパートタイム・有期雇用労働法が2021年4月に中小企業も含めて完全施行されたもとで、民間では休暇制度や福利厚生なども含めて格差是正と説明責任が求められるようになりました。
 公務職場にはパートタイム・有期雇用労働法が適用除外とはいえ、その理念は公務職場にも該当するものであり、自治体における改善が迫られています。
 また、自治体の職員を減らしすぎたことがコロナ禍を悪化させたこと、低すぎる「会計年度任用職員」制度が導入されて以降、自治体においてもコロナ禍で業務が増加し、このままでは、自治体自体がもたなくなってしまいます。正規職員を増員することが必要です。また正規・非正規との格差是正がまだまだ放置されているので、公務職場から改善をすすめていくことが必要だと考えます。

2021年 大阪労連「自治体職員調査」

過去の調査結果

府内自治体における臨時・非常勤職員の実態調査結果(2012年)